lunedì 30 maggio 2011

TEATRO GRECO ギリシア悲劇

TEATRO  GRECO  di   S I R A C U S A


Tragedia  Greca  FILOTTETE  di  SOFOCLE
(ソフォクレス作 ピロクテテス)


シラクサの親友 Teresa の招待で ギリシア悲劇を鑑賞。紀元前409年 Sofocleの" Filottete " を当時の人達が座った同じ石跡の上に板がはられ クッションが置いてある席で聴く。







夕方7時頃の開始、空はまだ明るいが物語が進むうちにすこしづつ夕陽が迫って来る






火あり煙あり、海や船も出る。上は岩戸から閃光と共に Eracle (ヘラクレス)のお出まし、、






フィナーレの頃には暗い深い夜に、、だんだん涼しく肌寒いくらい


イタリア語版ギリシア悲劇「Filottete」の簡単なあらすじ


抵抗するトロイを滅ぼす唯一に残った方法はEracleから授かった魔法の弓。孤島で独り魔弓を守る老戦士Filotteteから弓を奪う工夫があれこれ張り巡らされる。Filotteteは Lemno 島に島流しにあい、この無人島の洞窟で暮らしているが毒蛇にかまれ、負傷が激しく瀕死に近い状態。この往年の戦士Filotteteをあの手この手で騙し弓を手に入れる事を若きNeottolemo ( ネオプトレモスはAchille アキレウスの息子 ) に指示する狡猾な Odisseo 。悩んだ末に病んだ老戦士に正義感を見出して共鳴し孤島から助け出すNeottolemo。 この3人の心理格闘劇。


2000年以上前に上演されたギリシア悲劇を紀元前の人達と同じ石の上に座る、もう既にこれで不思議な感動が走る。私の思いは遠い国に起きた東日本大震災と原発事故の事でそうとう陰鬱になっていた、、劇が進むうちに今から2千年後の日本を想像してみる、どうなっていくのだろうか、と、、

紀元前から2011年まで積み重ねた日本史はそれなりに美しかった、この年の3月11日から日本の歴史は全く人の道からずれ始めるのだろうか? それとも生きた人間がいる国として正常な道を選ぶのだろうか? 大きな歴史の転換期に日本が遭遇している、ひしひしとそれが伝わってくる、心の中でギリシア古代と遠い東洋のはずれの国とが交差し始め、、このギリシア悲劇の老戦士も最後に孤島から救い出されて故郷に帰る船に乗り助かる、どうか日本も助かって欲しいと必死で祈りフィナーレを見つつ涙がぽろぽろ、劇が終わった瞬間、夢中で拍手していた、、テレーザが不思議そうに私の顔を覗き込んできた。


このギリシア悲劇ピロクテテスの最後、ヘラクレスの語りは、、「苦悩に満ちたけわしい運命は、苦しみぬいた生涯のはてを、栄えあるものとするために、神が与えた賜物だ」