ORTIGIA 島は洞窟と地下道がいっぱい
旧シナゴーグ跡に建ったSAN FILIPPO教会の地下にあるユダヤ風呂見学 ある晴れた2010年6月16日にこの教会の修復がほぼ完了し、お披露目の行事がありました。さっそく地下にあるユダヤ風呂の見学も出来るので参加しました。
教会の前、オベリスクがあるユダヤ市場跡の広場で御開帳を待つユダヤ地区の住人、つまりお隣さんや ご近所さん達。
この教会の祭壇の絵はとても変わっていて、もともとユダヤ教のシナゴーグがあった場所に建てられたので偶像を使わないユダヤ教の教えが残っています。そのために聖壇の後ろにはキリスト像もなく、絵の中のキリストはパンかごか何か持って働いています、絵の中の聖人すべてが何か、そそくさ働いているのが面白く珍しい構図です。何とかカトリック教会風にカモフラージュしていますがユダヤ教徒が隠れて祈ったのでしょう。
地下に降りるのは危険なのでヘルメット着用が義務ずけられています。
左は地下の祭壇ここは別のミサを行った場所。右はミイラを作った穴で、ここにぶどうから作るお酢を流し込み遺体を入れてミイラ化にしたとか、、穴に落ちない様に椅子でかこってありました。ミイラになりたくないので私も注意しつつ覗き込みました。
地下の礼拝の間は広い空間で回りの壁には骸骨の絵が沢山描かれてあります。右は携帯で骸骨絵の写真を撮る女性。
左は雨水を引き入れた穴。右は先が見えないくらいどこまでも続く長い地下回廊。
螺旋階段がどんどん深く地下に下がります。右はこのユダヤ風呂へ降りる段で水は透明です。
これが禊のためのユダヤ風呂(王妃の風呂)本当に透き通った清水です。
長く続く地下回廊ですが、天井は鍾乳洞化していたので、「けっしてさわってはいけません !!」とガイドが厳しい、、
、、アレレ、、地下出口から登って顔を出したら違う San Francesco di Paola教会に出たのでびっくり、、この二つの教会は地下でつながっているのでした、、と、言う事はオルテイジャは何処までも地下道が続く街なのです、驚くほど立派な地下回廊が沢山あります。ユダヤ人は1492年に公には追放されましたが、何とか地下世界を利用して生き延びた、あれこれ推察出来ます。
シナゴーグは1693年の大地震で詳細不明とか、跡に1700年代にPilippo教会の建築開始、その後色々問題があった様ですが19世紀にほぼ完了。ただ現代になり第二次世界大戦の空襲で崩れ最近修復が終わったのが実状。この教会の広大な地下道は第二次世界大戦の空襲、連合軍(英米軍)の爆撃からこの街の住人達を守る大防空壕になったのです。地下回廊の壁には避難していた人が描いた当時の英国空軍爆撃機の落書きがありました。日本では住民は空襲で大多数が焼け死にましたが、ここオルテイジャやイタリア全国では教会の地下が立派な防空壕になったのです。